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2023年07月20日
横浜商科大学

自由な発想とインサイト分析が生みだすヒット!ー若林教授の広告論でdentsu zeroの尾上氏がゲスト講師ー

6月15日(木)と7月6日(木)に、若林宏保教授が担当する広告論で、dentsu zeroの尾上永晃氏をゲスト講師に迎え講義を実施しました。

尾上氏は株式会社電通でプランナー、コピーライター、クリエイティブディレクターを務め、若林教授とは電通時代に広告を一緒に手掛けた経験があるとのこと。講義では「広告企画と表現」をテーマに、企画に必要な要素や、尾上氏が手掛けた事例をもとにさまざまな表現方法があることを学びました。

 

「やり方はたくさんある!」-商品と人を関係づける表現方法とは?-

講義のはじめに尾上氏から「横浜商科大学の受験生を増やすアイデアを、10分で、できるだけたくさん考えてください。」と学生たちに課題が出されました。


学生たちの、だれもが経験したことのある「受験」をテーマに、「最寄り駅に広告を出す」「テレビCM」「みなとみらいに大学を建てる」「商業施設に大学を入れる」など、さまざまなアイデアが出てきました。学生たちはこの課題でターゲットのインサイトを考えることを経験しました。

 

人に知ってもらうには、どのような方法があるのか?

ある食品会社では、素人の方がプロよりおいしい食べ方を発見したことに対する謝罪広告を実施したところ売上が2倍以上に。ある飲料メーカーの商品サイトでは、自分の名前にあるグリーンを発見してアニメーションを生成できる企画を実施したところ200万名以上のユーザーが体験。そのほか、イベントによる集客事例やキャラクターによる広告事例など、どれも固定観念を外した自由な発想から生まれたものばかり。

人に知ってもらうためのやり方はたくさんあり、商品とは関係のない人たちをいかに関係があるように感じさせるかが大切であることを学びました。

 

広告の基本はインサイト分析 -ターゲットの気持ちを想像する-

「広告の基本は、ブランド独自の魅力を理解した上で、ターゲットの気持ちになりきることが大切。」と尾上氏と若林教授が携わった東急池上線の事例をもとに紹介されました。

 

東急池上線は東京都内のローカル線で、当時は認知度が低く、沿線の街では高齢化が課題に。この課題解決に向けて、地域住民や関係者へ調査をしたところ「心地よい」という地域の価値に気づき、「生活名所、池上線。」というブランドコピーが完成。このコピーと共に首都圏に住む人に東急池上線を知ってもらうことを狙いに「フリー乗車デー」を実施。首都圏の鉄道会社で1日無料乗車イベントの開催は初ということもあり、メディアでも取り上げられ、想定を上回る経済効果をもたらしたとのことでした。

「実は気になっている」「実は行ってみたい」など、人の気持ちを行動へ動かすきっかけを発見することが、広告において重要であると学びました。

 

「横浜の観光を活性化するアイデア」を発表 -学んだ知識で実践してみる-

7月6日(木)の講義では「横浜の観光を活性化するアイデア」をテーマに、学生たちはグループごとにアイデアを出し合い、発表を行いました。

 

 

さまざまな視点で捉えた「横浜がもつ魅力」に焦点をあて、ターゲット設定、インサイト分析を行い、訪れるきっかけとなるアイデアの発表を行いました。発表では、グランピング施設の企画や、ライブに来る人をターゲットとした割引企画、横浜のマイナースポットを訪問する企画などが提案されていました。

尾上氏は各グループの発表内容に対して、「こんな発想もあるよ」「この要素を企画に足してみたらどうなるかな?」とフィードバック。学生たちの表情からは「そのような展開があったのか!」と気づきを得ている様子が伺えました。

 

 

日頃の訓練が企画と表現につながる

企業のマーケティング活動の一翼を担う広告。ブランドの魅力、ターゲットのインサイト、顧客が触れるメディアを理解した上で、方法を考えることがいかに大切かを学びました。

最後に、尾上氏から学生の皆さんへアドバイスを頂戴しました。

「日頃の訓練として “実は〇〇なんだよね” というインサイトを日常的に考えたり、世の中の面白いと思ったことを自分の言葉で説明できるように練習を重ねてください。また、成功事例をたくさん知ることが自分のセンスとなり、誰でも考えられる “普通” を越えた発想につながります。」

広報担当の筆者自身、さまざまな事例をもとに展開する本講義は、「商学」を学ぶ上でとても勉強になる内容であると感じました。学生の皆さんには、ぜひ受講してもらいたい講義の一つです。

 

【関連情報】

■尾上永晃氏について
株式会社電通でプランナー、コピーライター、クリエイティブディレクターを務め、現在は社内チームのdentsu zeroに所属。1日で50万人を動員する仕掛けや、200万シェアされる施策などを実施。ACC、カンヌ、TCC賞新人賞、文化庁メディア芸術祭、グッドデザイン賞など、国内外で受賞歴を持つ。(詳細はこちら

若林宏保教授 著者に関するトピックス
あなたの仕事に “場所” の視点を。『場所のブランド論 ?プレイス?ブランディングのプロセスと実践手法?』が刊行

問い合わせ先
横浜商科大学 商学科
若林 宏保 教授(教員紹介へリンク
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横浜商科大学 アドミッション?広報部
TEL:045-583-9043 / FAX:045-583-9053
Mail:yccpublic_r@shodai.ac.jp
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